妹の旦那の言動に閉口した話

コミュニケーション体験談
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妹夫婦の新居に行くのはこれが初めて。東京に新築マンションを買うなんて大したもんだ。スカイツリーが近くで見られる良い場所。新築の匂いってなんかいいよね。妹と共に妹の旦那(以下、旦那)が出迎えてくれた。

旦那はバレーボールをやっているだけあって高身長。何度見ても顔がフランケンシュタインに似ていると思っているのだが、本人にはもちろん妹にも言っていない。

新居でしばらく過ごして、近くの人気の焼肉屋さんで夕食をとることになった。行ってみると行列ができていた。さすがは人気店だ。店員さんいわく、15分ほど待つことになるらしい。人気店だから待つことも想定内だ。むしろ15分くらいで入れるならばラッキーなくらい。並んで待っていると「ドラマって見てます?」と旦那が唐突に聞いてきた。

「そうですね、NHKの夜ドラとかおもしろくて見てますよ」

「この人NHK見ないんだよ」妹が割って入る。

「そうなんですか?最近のNHKはおもしろいんですよ。ウッチャンナンチャンの内村がやってるコント番組『LIFE』もおもしろいし、『進撃の巨人』とかアニメなんかもやってるんですよ」NHKを見ない人にも興味が湧きそうなことを言ってみた。

「進撃の巨人はどこまでいきました?」おっ!旦那が食いついてきた。進撃の巨人に興味を持ったようだ。「どこまでいきました?」ってことはマンガを最新刊まで読んでいて、アニメではどこまで放送されているか気になっているらしい。

ただ私は、にわかファンで、アニメは見ているもののマンガを読んでいるわけでもなく、実は詳しくは知らない。でもNHKを見る派としては、見ない人の興味をひいて、この会話をきっかけに今後NHKを見るようになってくれたら嬉しい。ここは頭の中にある知識を総動員して頑張ってプレゼンするしかない。

「あの、、、トロスト区?(だったかな)を奪還したあたりまでいきました」なんとか絞り出した。

「あー、そうですか、、、」こいつは進撃の巨人をあまり知らないんだなと言いたげな表情で旦那は言った。

マズイ。このままではNHKの素晴らしさを伝えることができずプレゼン失敗に終わってしまう。何とか挽回しないと。

「エレンが岩で壁をふさぐっていうのありましたよね?あれ何区でしたっけ?」質問することで私よりも詳しいであろう旦那を巻き込む作戦に切り替えた。

「・・・・・」旦那は困った様子だ。

見かねた妹が言った。「この人、グロいアニメは苦手なのよ」

「え?」

「進撃の巨人は見たことないんですよね」旦那は言った。

耳を疑った。「マンガも見てない?」

「はい。進撃の巨人はグロいからダメなんです」

パニックになった。大学試験で全く歯が立たない数学の問題に出くわした気分。意味不明すぎ。全く知らないのに、なんで「進撃の巨人はどこまでいきました?」って質問したんだ?

自分が見てもいないアニメに「どこまでいきました?」って質問することが私にはない。ええ、全くない。どういう意図で質問してきたの?知らないことなのに、知っているかのように振舞っていることの意味が分からなかった。何より、無い知識を総動員して全力でプレゼンした私の努力は、、、返す言葉がないくらいの衝撃を受け、放心状態でだた立ち尽くした。

フランケンは何事もなかったかのように妹と違う話題で盛り上がっている。

そういえば旦那は独特な人だったことを思い出した。正月の初詣で神社に行ったとき妹が買ったたこ焼きを食べようとしてひとつ道路にコロンと落ちてしまった。そのとき旦那は何を思ったのか、それを拾って表面を手でサッと払い口の中へ。思わず「マジ!?」と叫んでしまった。そんなにお腹すいていたの?それともウケを狙った?(だとしたら大すべり)。私の常識では計れない人だったことを忘れていた。。。

人気店の焼肉は美味しかったはずだが、旦那の衝撃で味をあまり覚えていないのが残念。

今後も妹の旦那の言動に心がざわざわすることがありそう。いや、必ずあるはずだ。

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