話が上手だと思う人:池上彰さんのトークを解説

話し方のコツ
話し方のコツ

物事を上達させるには、まずうまい人のマネをすべし。

古くからこういった言葉があります。

ということで、話やトークをもっと上達させたい私は、話し上手な人のマネをして、自分も上手に話せるようになろう、と考えました。

話が上手な人には、上手な理由があるはず。

それを自分の話やトークに応用しようというわけです。

記念すべき第1回目に私がご紹介したい話が上手と思う人は、池上彰さんです。

私だけでなく、皆さんが話し上手だと思ってますよね。

ニュースの解説などで大人気です。

私は池上彰さんといえば、NHKの「週刊こどもニュース」のお父さんのイメージが強かったので、こんなにブレイクされて正直驚いています。

ブレイクしたのもやはり話が上手でわかりやすいからでしょう。

なんでわかりやすいのか?マネをするにはこのあたりを知る必要があります。

そこで今回、YouTubeにあった池上彰さんのトークを文字起こしして分析してみました。

分析の結果、マネできる話上手のヒントがたくさんあることわかりました。

池上彰さんのトーク

この動画は、JICA(ジャイカ)の「池上彰と考える『グローバル人材とは何か』第一部」です。
池上彰さんが出演者と対談形式でトークしています。

動画は1時間10分ありますが、その一部を抜粋して文字起こしをしました。
※文字起こしをした部分は動画の41:56~です。

例えばアメリカであのー、MIT。マサチューセッツ工科大学ですね。そこ行くと立派な音楽室がずらっとあるんですよ。音楽を一生懸命やらせるんですよ。あのマサチューセッツ工科大学ですよ。ええ、だから物理や科学の最先端の学生に、音楽を、こうやらせたりですね。あるいはね、これは「なるほど」と思ったんですけど、そのウェルズリー女子大学はいここも全部リベラルアーツなんですね。

はい

で、だからその、クリントンやオルブライトを輩出するような大学で。カリキュラム聞いてたらですね、経済あのーその、案内してくれた女子学生が、経済学もやってるってわけですよ。で、思わず私も一応経済学部だから、経済学部で何やってるの?って言ったら、「マクロとミクロをやってます」って言うんですね。「じゃあ経営学は?」って言ったら、「経営学はやらない」って言うんです。どうしてか?「経済学は生きていく上で必要なものだからやるんだ」。「経営学はとっても実利的で、世の中の役に立ちすぎるから、大学では教えない」って言うんです。つまりあのー、いろんなこうビジネス界から、すぐに社会に出て役に立つことを教てくれっていう圧力があるんですって。大学が必死になってはねのけてると。すぐに役立つことを教えると、すぐ役に立たなくなる。MITでも言ってました。MITでも、えー例えば電子情報などの最先端の事を教えても、どうせ5年で陳腐化すると。5年たったら陳腐化するようなのものを大学で教えていてもダメだと。

早くなっていますからね、いろんなものが陳腐化するスピードがね。

そういうものが陳腐化しても何とかなるような力を大学でつけてくことが大事なんだ、と。

なるほど。

っていうので言うと、そういえば、かつて、慶応義塾の小泉信三という、塾長が「すぐ役に立つことはすぐ役に立たなくなる」って言ったんですね。リベラルアーツっていうのは結局はそれかなぁと。すぐに役に立つことを教えるのではなくて、すぐには役に立たないけれども、いずれジワーっと効いててくるものを大学で教えるべきではないか、ってことなんですね。

スキルじゃなくて、もっとベーシックなところにもう特化しようと、そういう発想になっているってことですね。

まあ別の言葉いいかどうかわかりませんが、いわゆる人間力をつける、とでも言いますかね。そっちが大事なのかなと。

文末が「ね」で終わっている

例えばアメリカであのー、MIT。マサチューセッツ工科大学です。そこ行くと立派な音楽室がずらっとあるんですよ。音楽を一生懸命やらせるんですよ。あのマサチューセッツ工科大学ですよ。ええ、だから物理や科学の最先端の学生に、音楽を、こうやらせたりです。あるいはね、これは「なるほど」と思ったんですけど、そのウェルズリー女子大学はいここも全部リベラルアーツなんです

で、だからその、クリントンやオルブライトを輩出するような大学で。カリキュラム聞いてたらですね、経済あのーその、案内してくれた女子学生が、経済学もやってるってわけですよ。で、思わず私も一応経済学部だから、経済学部で何やってるの?って言ったら、「マクロとミクロをやってます」って言うんです。「じゃあ経営学は?」って言ったら、「経営学はやらない」って言うんです。どうしてか?。

早くなっていますからね、いろんなものが陳腐化するスピードがね。

そういうものが陳腐化しても何とかなるような力を大学でつけてくことが大事なんだ、と。

なるほど。

っていうので言うと、そういえば、かつて、慶応義塾の小泉信三という、塾長が「すぐ役に立つことはすぐ役に立たなくなる」って言ったんです。リベラルアーツっていうのは結局はそれかなぁと。すぐに役に立つことを教えるのではなくて、すぐには役に立たないけれども、いずれジワーっと効いててくるものを大学で教えるべきではないか、ってことなんです

スキルじゃなくて、もっとベーシックなところにもう特化しようと、そういう発想になっているってことですね。

まあ別の言葉いいかどうかわかりませんが、いわゆる人間力をつける、とでも言いますか。そっちが大事なのかなと。

池上彰さんの話は文末が「ね」で終わっていることが多いです。

「ね」があることで聞き手の注意を引き付けられるんです。

共感を得たいときや共通認識で相手が「否定」することがないような項目のときに「ね」をいれていることがわかります。

「ね」の効果についてはこのページで詳細に解説しています。あわせて読んでみてください。

質問を入れている

「ね」には聞き手の注意を引き付ける効果があるんですが、もっと効果的なのは「質問」です。

質問されると聞き手は「なぜだろう」と考えます。

考えるということは話に意識を集中しているということです。

話に集中できていない聞き手に、話が伝わることはありません。

つまり、聞き手に伝わるように意識を向けさせるテクニックの一つが「質問」ということです。

聞き手が思うことを先に言う

で、だからその、クリントンやオルブライトを輩出するような大学で。カリキュラム聞いてたらですね、経済あのーその、案内してくれた女子学生が、経済学もやってるってわけですよ。で、思わず私も一応経済学部だから、経済学部で何やってるの?って言ったら、「マクロとミクロをやってます」って言うんですね。「じゃあ経営学は?」って言ったら、「経営学はやらない」って言うんです。どうしてか?「経済学は生きていく上で必要なものだからやるんだ」。「経営学はとっても実利的で、世の中の役に立ちすぎるから、大学では教えない」って言うんです。

「どうしてか?」と、聞き手が「どうして?」となる直前に言っていますよね。

聞き手は「そうそう!どうして?」となります。

つまり共感するわけです。

共感すると「この人は私(聞き手)のことをわかってくれている」となり、信頼を得られます。

信頼を得られれば、スポーツでいうところのアウェイ感はありません。

味方になってくれます。ホームで有利に展開できるわけです。

話のしやすさが全然違いますよね。

具体例がたくさん

1つの事柄に対して、いくつも具体例を話していますね。

文字起こしの最初も「例えば」で始まっていますし、その他にも「あるいはね」と別の具体例を出している。

ここまで具体例を出してくれると、最初は理解しにくくても、わかるようになりますよね。

いくつもの具体例が出てくるということは、それだけ知識量があるということでもありますね。

言い換え

例えばアメリカであのー、MIT。マサチューセッツ工科大学ですね。そこ行くと立派な音楽室がずらっとあるんですよ。音楽を一生懸命やらせるんですよ。あのマサチューセッツ工科大学ですよ。ええ、だから物理や科学の最先端の学生に、音楽を、こうやらせたりですね。あるいはね、これは「なるほど」と思ったんですけど、そのウェルズリー女子大学はいここも全部リベラルアーツなんですね。

はい

で、だからその、クリントンやオルブライトを輩出するような大学で。カリキュラム聞いてたらですね、経済あのーその、案内してくれた女子学生が、経済学もやってるってわけですよ。で、思わず私も一応経済学部だから、経済学部で何やってるの?って言ったら、「マクロとミクロをやってます」って言うんですね。「じゃあ経営学は?」って言ったら、「経営学はやらない」って言うんです。どうしてか?「経済学は生きていく上で必要なものだからやるんだ」。「経営学はとっても実利的で、世の中の役に立ちすぎるから、大学では教えない」って言うんです。つまりあのー、いろんなこうビジネス界から、すぐに社会に出て役に立つことを教てくれっていう圧力があるんですって。大学が必死になってはねのけてると。すぐに役立つことを教えると、すぐ役に立たなくなる。MITでも言ってました。MITでも、えー例えば電子情報などの最先端の事を教えても、どうせ5年で陳腐化すると。5年たったら陳腐化するようなのものを大学で教えていてもダメだと。

まあ別の言葉いいかどうかわかりませんが、いわゆる人間力をつける、とでも言いますかね。そっちが大事なのかなと。

ウェルズリー女子大学が「経済学は教えるけれど、経営学は世の中の役に立つから教えない」ということを「すぐに役立つことを教えると、すぐ役に立たなくなる」と言い換えています。

さらに、この言い換えた表現を「いわゆる人間力をつける、とでも言いますかね」と言い換えているんです。

言い換えることで、より深く理解することができますよね。

まとめ

池上彰さんのトークにはたくさんのヒントがありましたね。

この他にも、強調すべきところや「間」の取り方などとても参考になることばかりでした。

このように池上彰さんが、わかりやすい話し方をするのは聞き手の立場にたって話しているからだと思います。

わかりにくくはないか、ちゃんと伝わっているかを意識して話をしているのがわかります。

伝わってなさそうならば、別のもっと平易な言い方に変えたり、具体例を出したりします。

話のテクニックも大切ですが、聞き手の立場にたった話し方をすれば、自ずとわかりやすく、伝わる話もできるということでしょう。

これを一番マネしていくべきですね。

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