聞き手の頭にリアルな映像を!

話し方のコツ
話し方のコツ

私は、おもしろい話をしようとするとき、話のオチを早く言いたいために、オチの前段階にある設定や状況を丁寧に話していませんでした。

設定や状況を細かく説明するよりもオチにインパクトがあれば、笑わせられると思っていたんです。

トークの中で一番重要なのはオチ。

その他はオチのおまけぐらいとしか考えていませんでした。

なので、設定や状況はあまり考えず、自分がパッと思いついたところだけを簡単に話をしていました。

それで聞き手にすべて伝わると思っていたのです(勘違いも甚だしい)。

当たり前ですが、聞き手は話し手が話す内容を知りません。

どんな話しか、展開がどうなるのか知らないのです。

なんと、私はそのことに気にとめていませんでした。

察してくれるだろうとほとんど考えていませんでした。

まるで同じ映画を見て、あらゆる設定や状況を聞き手も把握できているかのように、自分の話をしていたのです。

私はオチを早く言いたいので、オチまで駆け足で話します。

でも聞き手はオチを言われたところでポカーンです。

これでは笑ってもらえません。

むしろオチを言ったことすら認識してもらえないのです。

聞き手は何も知らない

共通の話題でない限り聞き手は、話し手の話のすべてを知りません。

当然のことですね。なので、話の序盤に設定や状況を丁寧に説明しないといけません。

設定と状況の説明からすべてが始まる

何も知らない相手にわかってもらうには、設定と状況の説明(以下「状況説明」)から。

映画も小説も落語もすべて「状況説明」からストーリーが始まりますよね。

同様にトークも、話の序盤に「状況説明」を入れてスタートすることで、聞き手に話を理解してもらいやすくなります。

「状況説明」って具体的にどうすればいい?

「状況説明」とは何かというと、「5W1H」です。

「5W1H」とはWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)です。

学生の時に習って覚えている方も多いと思います。

「5W1H」が明確な話はわかりやすく、理解しやすいですよね。

「昨日夜(When)に小腹がすいたから(Why)自転車で(How)コンビニ(Where)に行って、おにぎり(What)を買った」

簡単な文ということもありますが、とてもわかりやすいですよね。

聞き手は話を映像化している

聞き手は、話を聞いているとき無意識にその話を映像化しています。

まったく知らない話でも、過去の自分の経験から映像を頭に思い浮かべるのです。

例えば、「エベレスト山頂付近を登っていた」と言われたらどうですか?雪山で防寒着を着てリュックを背負って登っている画が浮かんできます。

私は実際エベレストに行ったことはありませんが、テレビなどで見たことがあります。

その記憶から頭の中で思い浮かべることができるのです。

なので、「5W1H」の要素を明確に説明することで、聞き手はより正確にリアリティを持って映像化することができます。

頭の中の映像がリアルなほど、聞き手は話を理解します。

つまり話が伝わるということです。

共通の話題を話しているときと同じ状況をつくれるわけですね。

聞き手の頭に「?」を出させない

「5W1H」を明確にすることがとても大切です。

でも、トークによっては「5W1H」の中で不要な要素も出てきます。

不要な要素は説明するだけ話が間延びしますし、聞き手が混乱する原因にもなります。

聞き手は「?」(疑問)を感じると、その瞬間から頭の映像化がうまくいかなくなります。

そうすると映像のリアリティが落ちてしまいますし、それに比例して話への興味も落ちてしまうのです。

そして映像化できないとストレスを感じます。

もちろん聞き手は映像化がうまくできなくなったタイミングで話し手に質問することもあります。

これは映像化をうまくしたいサインなんです。

質問に丁寧に答えてあげることで再び映像にリアリティが戻ります。

でも場合によっては質問ができない、もしくはしない場合もあるので、そもそも「?」(疑問)を出させないように話をすることがポイントです。

何が必要な要素で何が不必要かは、その話のオチから逆算して考える必要があります。

オチに関わる「状況説明」ならば入れて、そうでもない要素は話に入れないようにしましょう。

まとめ

私は、「状況説明」をしっかりすることで、話が伝わりやすくなった感じています。相手を笑わせることもできています。

今は、聞き手に一度も質問をさせずにオチまで話し切ることができたときに快感を覚え、一人悦に入ります。

質問がされなかったということは、聞き手の頭に「?」を出させない話し方ができた証拠になるからです。

決して質問ができない状況に聞き手を追い込んでいるわけではないので、「?」がでなかったと理解しています。

話をする上で「オチ」も重要ですが、「オチ」まで聞き手の映像を途切れさせないことも同じくらい重要です。

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