話が上手な人は的確に内容を伝えますよね。
必要な情報を漏らさずに入れ、無駄な内容はありません。
一方、話し下手な人は、どれが必要な情報で、どれが不必要な情報かをあまり明確に判断せずにそのまま話してしまいます。
なので、相手から「よくわからない」と言われたり、余計な話をして話が長くなってしまったりします。
話が上手な人は、何が必要で何は無駄な情報かわかっているんですね。つまり、情報の取捨選択をしています。
しかも、取捨選択を頭の中ですぐにやってしまったり、話しながらできてしまう人もいます。
そこまでにならなくとも、事前にしっかり内容を精査すれば話し下手から克服できるようになります。
というわけで、今回は、伝える内容を精査することについて解説します。
言葉が伝えるのはイメージのごく一部
話し下手に多いのが、必要な情報を入れていないことなんですよね。
そもそも話すというのは、話し手が頭の中のイメージを言葉に変換して伝えることです。
聞き手はその言葉や説明から自分の頭でイメージをつくります。
聞き手に頭の中に浮かんでいるイメージのすべてを伝えられれば良いのですが、言葉はそんなに万能ではありません。
イメージを言葉に変換するときに、ごく一部に切り取られてしまうからです。
でも、話が下手な人は、言葉を言えば、自分が思っているイメージの全体像を相手と共有した気になってしまうのです。
言葉が伝えるのは、イメージの一部に過ぎません。
これを認識しておかないと、当然わかっているだろうと思ったことがわかってもらえていないという状況になります。
よくあるのが、話の前提や背景を省略してしまうことです。
前提や背景を省いてしまうと聞き手は、話のイメージができずに置いていかれてしまいます。
どんな小説や映画、ドラマでも前提や背景は重要ですよね。
例えば、設定が「おとぎの国」なのか、「宇宙」なのか、「江戸時代」なのか。
そういった設定を省いて話をしているようなものなので、聞き手は話しについていけないんです。
必要な情報を省きがちな人は、言葉を言ってもすべて伝わらないということを認識して、思っているよりも詳細に説明していく配慮をすると、より相手に内容が伝わりやすくなるはずです。
言わなくても良い情報とは
「イス」と言われてどのようなイメージをしますか?教室で使っていた木のイス、パイプイス、革張りの社長イス、ビーチチェアなど同じ言葉でも人によってイメージするものは千差万別ですよね。
言葉が伝えるのはイメージの一部だけなので、頭の中のイメージを正確に相手に伝えようとすると、言葉をどんどん足していく必要があります。
正確にイスを伝えるには、形、素材、サイズ、色、キズや座り心地など、たくさんの言葉を駆使しなければならず、時間がかかり果てしない作業になります。
でも、必ずしも正確に伝える必要はありません。
例えば、「公園で犬におしっこをかけられた」という話の場合、「犬」という情報だけ正確に伝われば、その他の部分は言わなくても良い情報です。
チワワのような小型犬でも秋田犬のような大型犬でもどちらでもかまいません。
「犬」のイメージで足りない部分(犬種や毛並みなど)は、聞き手が自然と自分の関心や過去の経験から補いますので、聞き手にお任せしてしまえば良いんです。
オチから判断しましょう
何が必要な情報で何が不必要な情報なのかはどうやって判断すればいいのでしょうか。
それはその情報が「オチ」や「結論」に関係するかどうかです。
オチや結論に関わる情報ならば入れる必要がありますし、特に影響がなければ入れないほうがスッキリします。
つまり、オチや結論から逆算して話をつくればわかりやすくなるんです。
そうすれば、話し上手な人と同じ様に話をつくっていけます。
例えば、桃太郎のストーリーで言うと、桃太郎は鬼ヶ島で犬、猿、キジと鬼を倒すという結論(オチ)なので、桃太郎の出生や仲間たち(犬、猿、キジ)との出会いなどが必要な情報というわけです。
まとめ
話し上手な人は、頭の中で情報をコントロールできます。
どの情報をどのタイミング言えばいいのか、わかって話をしています。
話し下手な人はこのマネをすることから始めればいいんです。
でも、頭の中で瞬時にするのは難しいですよね。
その場合は、話す前の晩などに内容をゆっくり精査して話を構成してみましょう。事前に話を仕込むわけです。
最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば、話し上手な人のように頭の中ですぐにできるようになりますよ。
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