上手な人のマネしてみようシリーズ第3弾です。
物事を上達させるには、まずうまい人のマネをすべし。
ということで、話やトークをもっと上達させるため、話し上手な人のマネをして、自分も上手に話せるようになろうということです。
今回、私がご紹介する話がおもしろいと思う人は、お笑いコンビさまぁ~ずの大竹一樹さんです。
前回は相方の三村さんのトークをご紹介しました。
2人ともおもしろいのですが、それぞれのトークを分析してみるとタイプが違ったんです。
大竹一樹さんのトークを文字起こししてわかった、おもしろく話をするヒントをご紹介します。
家族ネタでのエピソードトーク
まずは参考となるトークを読んでみてください。
これは過去に「さまぁ~ず×さまぁ~ず」で大竹さんが話したトークです。
このトークにおもしろく話すヒントがあります。詳細は後述。
大竹:あのー、(家族)4人いるんですけど。全員違う意見を、俺に発注してくるから。
三村:奥さんも入れてるわけね。
大竹:もちろん、そうです!第1位ですよ!第1位の発注というか、注文ですよね。例えばじゃあ、飯食ってるじゃないすか。4人、あの全員で。
三村:うん。
大竹:行く時あるんですよ、飯。大騒ぎなの。
三村:うん、外食?
大竹:外食。で、なんかあのー、鶏肉みたいなの頼んで。それをほら、切れないから。ガキが。
三村:ニセの鶏肉なの?何?
大竹:(鶏肉)みたいなのって言ったから、ニセって思ったんけど、鶏肉ね。焼いた鶏肉。茹でた鶏肉。
三村:鶏肉みたいなのって言うから。
大竹:違う。だから俺が、(席)こっちひとり。で、(向かい側)子供7歳、4歳。で、かみさんと、なんかちっちゃいの。
三村:まぁ、生後何カ月。
大竹:もう1対3、1対4ですよ。
三村:ほう。なんで1対っていうの?。それが奥さんからしてみたら怒られない?
大竹:1対4っていう言い方が、ちょっと良くなかったけど。勘違いですけど。
三村:ね?全員で5人でいいじゃない。
大竹:全員で5人。でもこっちの席は、1対4ですよね、だから。そこに店員さんが注文を持ってきたり、ワーっとなって。で、そのー、ちっちゃいのがあの、グラスカンカンってやったり。「ちょっとやめろ」とか、ちょっと水こぼしちゃったり、大騒ぎなんですよ。
三村:なんかね。
大竹:ね。で、そのなか「(息子)早く!お腹すいたよー!」とか言ってるから、俺はその鶏肉を切ってるわけですよ。子供用に。
三村:食わす準備をね。
大竹:(塊で)1個ドンってきてるから。
三村:はい。
大竹:ね。で、「(大竹)今切るから」とか「(息子)早く!」とか言ってるなかに、かみさんが「こないだぁ、あのー、お兄ちゃんのほうがぁ」。「(大竹)うん、うん」「(かみさん)なんか、学校の帰りに」「(大竹)うんうん、今(食べさせるから)待ってろよな、うん」「(かみさん)でさぁ、あのー」って、いっぱい、しゃべってくんの。ワンセンテンスというか、ひと物語を。で、聞く。だから、一応シカトもね、怒られるから「うんうん」とか「ほう、へー」とか相槌してんのよ。聞いてんのよ。そいで、ちゃんと話は入ってるの。ね。
三村:ワンセンテンスね。
大竹:「学校の帰り、電車をなんか間違えて」とか、いろんな全部入ってんのよ。
三村:物語がね。
大竹:うんって聞いて、「ほらほら、食べろ!」とかやって。こっち(息子)優先じゃん?
三村:まず(食べ)終わらせて、お前の感想なり。
大竹:終わらせてから、聞くよ。なんだけど、今しゃべりたいんですよね。
三村:うん、自分のタイミングがある。
大竹:第1位の。注文1位の。ね。
三村:うん。
大竹:だから、今、今しかないんでしょうね。でも、俺は今じゃなくてもいいじゃんって思いながらも、今しゃべりたいの知ってるから、「ええ、あっ、うん」とかやってたら、「(かみさん)ねぇ、話聞いてんの!?」。聞けるわけないでしょうに!。この状況で!。「話きいてるの?」って。
三村:子供が鶏肉食おうとしてるでしょうが!
大竹:食おうとしてるでしょうが!子供が腹減ってるでしょうが!って。「うん、聞いてるけど。。。」「ちゃんと聞いてるよ」とか。
三村:優しい返し。
大竹:「いや、聞いてるよ!」とか。「(かみさん)聞いてないでしょ!」。
三村:なんで少し(語気)強めにしたの?ホントは最初のやつでしょ?「いや、聞いてるよ。。。」
大竹:いや、ホントはもうちょっと「聞いてるよ!」。聞いてるよ!もおかしいですよね。聞いてるからホントに。
三村:うん。
大竹:「(かみさん)はい!じゃあ、その話もうしません!」みたいな。
大竹:なんなの?
三村:マイペースなんでしょうね。
大竹:だから、もうそう、全員ね。子供はしょうがないけども、第1位のかみさんがもう、ペースマイだから。マイペースだから。
三村:マイペースって言っちゃうとね、あれだから、ペースマイ。
大竹:ペースマイです。
大竹さんの被害者ネタがおもしろいです。
被害者ネタというのは「こんなにおかしいことを言われちゃった被害者なんです私」というトーク。
相手の「おかしい」ことを聞き手に共感させるのが上手いです。
たまに共感を得られずに「あ、俺だけ?」となってしまうこともありますが、それはそれで間が抜けた感じがして笑いを誘います。
被害者ネタなので自虐ネタのように感じたりしますね
状況説明がしっかりしている
話の序盤の状況説明が詳細に入っています。
「状況説明」とはトークに必要な情報を説明することです。
話の舞台や登場人物などの状況説明をしっかりすると聞き手は初めから話のイメージを膨らませることができ、話に引き込みやすくなります。
上のトークでは、食事に行った店のテーブルを囲んでガヤガヤしている大竹ファミリーのイメージが浮かびますね。
子どもたちは「お腹すいたー」と騒いで、大竹さんが肉を切って息子に食べさせている画が見えます。
それは、子どもたちが頼んだメニューや席の配置などをしっかり状況説明しているからです。
一方で入れていない情報もたくさんあります。
いつの食事なのか、朝食なのかランチなのか夕食なのか。また子どものメニューは説明していますが、自分や奥さんが頼んだメニューは説明していません。
これらは必要がないのです。
話に必要があるかないかは、オチに関わりがあるかどうかでわかります。
オチに関係がある情報はしっかり入れて、関係のない情報は話が間延びするので入れる必要はないでしょう。
考えや感情の表現がたくさん
大竹さんの考えや感情がたくさん入っています。
上のトークで「考えや感情」がどれかというと、「怒られるから」「終わらせてから、聞くよ」「今じゃなくてもいいじゃん」などです。
聞き手は話し手の「考えや感情」に惹きつけられます。
話にたくさん「考えや感情」の表現が入っていれば、その都度聞き手を話に惹きつけられることになるんです。
語尾に「よ」が入っている
語尾に「よ」で終わっていることが多いです。
上のトークから語尾が「よ」の部分を抜き出してみると「第1位ですよ」「1対4ですよ」「大騒ぎなんですよ」「俺はその鶏肉を切ってるわけですよ」「相槌してんのよ」「聞いてんのよ」「いろんな全部入ってんのよ」「終わらせてから、聞くよ」、とこんなにあります。
語尾の「よ」は、聞き手の注意をうながしながら自分の話を言い聞かせるという効果があります。
語尾に「よ」を入れるたびに聞き手の注意を引いているんです。
これもテクニックですよね。
まとめ
大竹さんのトークには話をおもしろくするヒントがありましたね。
大竹さんの自虐ネタは相方三村さんの自虐ネタとタイプが違うんです。
三村さんのは自分を貶めてピエロになる自虐。
大竹さんのは自分が正しいはずなのに周りがおかしいがために怒られたり注意されたりしてしまう自虐です。
どちらもおもしろいですが、それぞれタイプが異なります。
マネするにあたり自分がどちらのタイプが合っているか選択すると良いかもしれません。
ちなみに私は大竹さんタイプの方が話しやすかったです。
もちろんマネをすることでお笑い芸人の人たちのように爆笑はとれないかもしれません。
でも周りから「話がおもしろい人」と言われるレベルにはなれます。
ぜひ参考にしてみてください。
コメント