話をしていて間(ま)を上手にとることができていますか?
スピーチや話し方の本を開けば「間が重要」と必ず書いてありますよね。
重要なのはわかるけど、どうやって間を入れればいいのかわからない人も少なくありません。
そこで今回は間を上手にとることについてお伝えします。
間の役割
そもそも間はどんな役割があるのでしょうか。
人は話を聞くときに自分の頭に映像を描いています。
例えば「ハワイのビーチで日焼けしました」と言われれば、ハワイのイメージや小麦色した肌が頭の中に浮かんだのではないでしょうか。
実は聞き手は相手の話を頭の中で映像化して理解しているのです。
いわば、頭の中にテレビ画面や映画館のスクリーンがあるようなものです。
話における間の役割は、聞き手の映像化する時間をつくることです。
もし間をとらずに話してしまうと、聞き手は映像化することができず、理解してくれません。
つまり話が聞き手に伝わらないという状況になります。
話し上手な人は、間を適切にとっています。それは映像化されるのを待っているのです。
話し方の本に必ず書いてある「間が重要」はこのような役割があるからなんですね。
間を上手にとるには
話において間が重要な役割をはたしていることはわかりました。
では、どうやったら間を上手にとれるのでしょうか。
勇気を持って短文にする
話の中に間をつくるには、話を切らなくてはいけませんよね。
話と話のあいだが間なのですから。
間をつくるために短文に話すようにしましょう。
つまり「。」で区切って話をするようにします。
例えば、
「昨日会社の先輩と近くの居酒屋に行ったんですけどその店混んでいて入れなかったのでちょっと先の初めてのところ行ったら店員の態度が悪かったので雰囲気も悪くなってしまって・・・」
というよりも、
「昨日会社の先輩と近くの居酒屋に行きました」
「でも、その店が混んできました」
「なので、ちょっと先の初めてのお店に行きました」
「そしたらその店員の態度が悪かったので、雰囲気もわるくなってしまって」
と文の塊を短くするようにしましょう。
上の悪い例には句読点を入れていませんが、話し下手な人は句読点がないような話し方になってしまいダラダラと話してしまいがちです。
句読点がない話し方だと話を理解するのは難しいですよね。
なので短く区切って「。」をたくさん入れる意識を持って話をしましょう。
ただ、話を短く区切るのが苦手な人がいます。
それは話をブツ、ブツと切ることになるので、話す勢いやリズムも途切れてしまうように感じるからです。
でも、話を区切っても「それで」や「そしたら」など接続詞を入れてまた話し出せば全く不自然にはなりません。勇気をもって話を短文にしましょう。
話の出だしを短文にする
句読点がないような話し方をしていると、短文で話すことに慣れていないので難しく感じてしまうかもしれません。
そんな人は、まずは「話の出だしを短文にする」ことから始めましょう。
話の出だしは重要な部分ですから、その重要な部分を聞き手の頭の中に映像化させることができれば、まずはOKです。
出だしというのは「いつ」「どこで」など話のおおまかに舞台設定が話されたりしますよね。
大まかな舞台設定が聞き手に映像化されていれば、その先の話がどんどん進んでもある程度ついていけるんです。
どうも短文で話すのが苦手だと感じる人は、まずは話の出だしを短文にするようにして、聞き手に映像化させることから始めてみてください。
相づちされるまで話さない
間をとって相手に相づちされるまで話し出さないのも一つの方法です。
聞き手の相づちの後に話すことを繰り返すと、話し手と聞き手の呼吸が合ってくるので、より楽しく会話することができるでしょう。
相づちされるまで話さないと決めておけば間をとって話すことも難しくなくなるかもしれません。
それは聞き手に相づちさせようとするからです。
相づちさせようとするということは、聞き手を見る意識が強くなりますよね。
聞き手はその「自分に話しかけられている感」を強く感じてそれに応えようとします。
それが「うん」「ええ」「はい」などの相づちになって現れます。
話し上手な人は、短文で間をつくって、聞き手に映像化させ、目線を聞き手に送り「話しかけている感」を出しています。
話すときは「相手の目を見て」とか「相手の方を向いて」と言われますよね。
それには相づちを引き出すという効果もあるはずです。
話し上手な人は無意識にその効果をわかっているのかもしれません。
思っているよりも間をとっても大丈夫
聞き手に映像化してもらうには十分な間が必要です。でも間をとるのは怖いですよね。
間を少しでも入れると聞き手に「あれ?」とか「おかしい」などと思われてしまうのではないかと心配になります。
でも実は思ったよりも間の時間をとっても大丈夫です。
自分が思っているよりも2~3倍くらい間をとってもおかしいと思われないでしょう。
意外と聞き手は待ってくれますので、しっかり間をとって映像化を促してあげてください。
まとめ
間を上手にとることをご紹介しました。
間をとるのは、聞き手に映像を描かせる時間だったんです。
話し上手な人は、間を上手に使っています。
映像化の他にも重要なことを言う前に間をとって、聞き手の注意を惹きつけたりします。
間を恐れる必要はありません。
上手に使えば、より伝わる話し方ができたり、より楽しめる会話ができるようになるでしょう。
ぜひご紹介した方法を参考にしてみてください。
コメント