私は話をすると、一文が長いです。
ずっと途切れないように話をしてしまいがちになってしまいます。
例えば、
「この前、友達ともつ鍋食べようってなって、近くにちょうどもつ鍋のお店があったから行って、もつ鍋食べたんだけど、服にもつ鍋の臭いがついちゃって、帰ってから消臭スプレーして寝たんだけど、次の日になっても全然臭いがとれてなくて、仕方ないから洗濯しようと思ったら、洗剤が無いことがわかって・・・」
ずーと「、」(読点)でつないでます。
「。」(句点)が少なく長文を話してしまいます。
こういう長文の話し方をすると、聞き手は話に興味を失くしてしまいます。
私はこの話し方をして、何度となく相手が困惑してつまらなそうにしている顔を見てきました。
話していてショックです。そして話し下手な自分を責めてしまうのです。
でも、なぜ聞き手を困らせてしまうのでしょうか?なぜなら聞き手にとって優しくない話し方だったからです。
長文を話してしまう理由
そもそも一文を長く話してしまうのは、なぜなのでしょうか?私も含め、実は多くの人は沈黙を怖がっていることに原因があります。
「。」でいったん話を切ってしまって、次の言葉が出てこなかったら沈黙が訪れます。その沈黙が何より怖い。
そして変な空気になってしまうのを極力避けたい。
なので、「。」で話を切るよりも「、」で話を継続させたほうが沈黙のリスクを減らせると無意識に思ってしまうのです。
間(ま)をあけること恐怖症といえるかもしれません。
また、途切れ途切れに話をしてしまうと、聞き手の意識をこちらに向けてもらえないのではないか、もしくは間を開けたスキに、聞き手に話を取られてしまうのではないかと強迫観念にかられることも。
間を開けるなんてもってのほか、というわけです。
これも怖がっているに入りますよね。
長文に話してしまうのは、こういった心理的なことが原因だったんです。
長文は聞き手に迷惑ですよ!
長文でもいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、これは聞き手に優しくありません。
興味を失わせる話し方になってしまいます。
書き言葉でも一文が長いと、言いたいことがよくわからず、読み手にストレスを与えてしまうそうです。
聞き手にストレスを与えてしまう迷惑行為はしたくないですよね。
聞き手の頭の中は映像が動いている
話を聞くときに、聞き手はその話を自分の頭の中で映像化しています。
話に合わせて映像を動かしています。まるで映画や動画を見ているように。
おもしろい話に共感話が多いのはそのためです。
話し手も聞き手もほぼ同じイメージ映像をそれぞれの頭の中で共有・共感できるからこそ笑いが起こるのです。
でも長文で話すと、聞き手の映像化がうまくいきません。
映像化がうまくいかない理由は、情報量が多すぎるからです。
「この前、友達ともつ鍋食べようってなって、近くにちょうどもつ鍋のお店があったから行って、もつ鍋食べたんだけど、服にもつ鍋の臭いがついちゃって、帰ってから消臭スプレーして寝たんだけど、次の日になっても全然臭いがとれてなくて、仕方ないから洗濯しようと思ったら、洗剤が無いことがわかって・・・」
この例で説明すると、情報は「もつ鍋、もつ鍋のお店、臭い、家で消臭スプレー、次の日の洗濯」と場所も状況も時間も変わって、情報過多になってます。
情報量が多いとので、聞き手は処理が追いつかず、うまく映像化しにくくなります。
パソコンも作業量が多いと遅くなったり、フリーズしたりしますよね。
それを同じで、聞き手は映像化できないと話から置いて行かれて、ついには興味を失ってしまうのです。
聞き手に優しい短文話し方
情報過多で聞き手を困らせないためには、一文を区切って短文で話すことです。
一文の情報量が少なくなり、聞き手は処理がしやすくなります。
短文にするということは「。」を入れて話を区切ることになります。
この区切りることによってできる間(ま)が聞き手にとってとても大切な時間です。
間があると話が一瞬止まるので、より映像化の処理がしやすくなるのです。
話についていきやすくなる「ゴールデンタイム」と言えます。
私はこの「ゴールデンタイム」をできるだけ少なくして話していました。
そんな話し方では、聞き手は映像化できることはなく、話に興味を失ってしまうのも当然です。
(多少の)沈黙はあっていい
長文で話すと聞き手は興味を失ってしまうことはわかりました。
でも沈黙が怖い。
話を切ってしまったら、「沈黙」が襲ってくるのではないかと恐れます。
強敵ですよね。
でも沈黙は悪いことばかりではありません。
既に説明した通り、適度な間(沈黙)は聞き手には情報処理をする時間を与えます。
話し手にとってもメリットはあります。
次に言う言葉を考える時間が与えられることです。
考えながら話をすることができ、その場の状況に合わせた言葉をチョイスできることにもなります。
また「。」があることで、落ち着いて息継ぎができます。
特に緊張する状況では息が浅くなるので、区切って間をつくってちゃんと息をすることです。
意外と大切です。私は窒息死をせずに済みましたし。
「。」の後のリスタート
話を切って、考えながら話せれば沈黙もメリットになるだろうけど、次の言葉がでてこなかったら?ホント怖いですよね。
そもそも沈黙とは誰も言葉を口にしないことです。
「シーン」という状況ですよね。
ならば、言葉を発したらいいのです。
どんな言葉を発するか?「で」です。
また先の例で説明します。
「この前、友達ともつ鍋食べようってなったの。で、近くにちょうどもつ鍋のお店があったから行って、もつ鍋食べたんだけど、服にもつ鍋の臭いがついちゃってた。で、帰ってから消臭スプレーして寝たんだけど、次の日になっても全然臭いがとれなかったんだよ。で、仕方ないから洗濯しようと思ったら、洗剤が無いことがわかって・・・」
いかがでしょうか?「。」で区切って、「で」でリスタートしても自然ですよね。
「で」はかなり使い勝手がいいです。万能なんですね。
そして「で」を言ってしまえば、不思議と次の言葉は出てきます。
大丈夫です。怖がらずに間(ま)を適度にとってください。
そして沈黙に慣れていきましょう。
まとめ
短く区切った話し方と効果をご紹介しました。
間(ま)を開けるメリットは多いですよね。
たとえ、間を開けたことで相手に話をとられたとしても(私は話ジャッカルと呼んでいる)、落ち着いて相手の話が終わる間を見つけ、また自分の話に戻せばいいだけです。
話し下手だと思う方は、怖がらずにいつもより間を入れて話しをしてみてください。
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